2021/12/24 (金)

Acconeer社のミリ波パルスコヒーレントレーダー(PCR)センサー

Acconeer社のミリ波パルスコヒーレントレーダー(PCR)センサー

A) 概要
Acconeer(アコニア)社は、本社スェーデンのファブレス半導体メーカーです。
A111パルス・コヒレント・レーダー(PCR)は、60GHzのミリ波レーダーを使用し、高精度な距離、位置、動き検出および素材判定を実現します。
レーダー発信/受信に必要な全ての回路とアンテナが、小型パッケージ(5.2 x 5.5 mm)パッケージに内蔵され、機器にセンサー用の開口部なども不要の為、モバイル機器、IoT機器の小型化が実現可能です。
A111を搭載しているミリ波レーダモジュールとしてXM112/XM122/XM132がラインナップされております。最新FWでは、液体レベルの測定や物体検知・距離測定に最適なEnvelope Service、人感センサーに最適なSparse Serviceとも、最大検出距離が12.4mになるなど、大きな改善がされています。
電波免許の点でも、従来は「微弱電波」の適用が必要でしたが、工事設計認証(特定小電力機器:57-60GHz)取得など、高出力(検出距離延伸)化への環境も整いましたので、ご紹介いたします。

B) PCRセンサーモジュールラインナップ
・XM112
Microchip社製のMCU(Cortex-M7 ATSAME70Q20A)を搭載したハイパフォーマンスモジュールです。
ブレークアウトボードXB112と組み合わせることで、PCとUSB(UART)接続して評価することが可能です。



・XM122
直径33mm最適化された円形の低消費電力モジュールです。Nordic社製のMCU(Cortex-M4 nRF52840)を搭載しBLE5に対応しています。XB122ブレークアウトボードとの組み合わせることで、PCとUSBUART)接続して評価することが可能です。

・XM132/XE132
STマイクロエレクトロニクス社製 のMCU(Cortex-M0+ STM32G071CBU6)を搭載したエントリーモジュールです。いくつかのユースケースにご利用のシーンを限定することで、より低コスト化を実現しています。PCとのインタフェースが用意された評価用モジュールとしてXE132が提供されております。

尚、今回ご紹介したXM112/XM122/XM132は、いずれも商用(量産)適用も可能です。

スタンドアローン用のソフトウェア開発キット(SDK)を含むAcconeer RSS(Radar System Software)は、Acconeer-Developerページより、レーダー測定結果を可視化するための探索ツールは、Acconeer Githubからダウンロードできます。

C) アプリケーション
・ロボット (衝突防止、障害物回避)
・モバイル、ウェアラブル機器 (ジェスチャーコントロール、動作検出)
・IoT (スマートシティ/ホーム、パーキングセンサー、生体感知センサー)
・産業用ツール (高精度制御、形状・材質判別、動体検出、液面検出)

特に、ミリ波センサーの特性が十分に発揮される用途として、“Smart Presence” (動き検出機能付き人感センサー)、”Tank Level Monitoring”(タンクの液面測定)がAcconeer社のHPで紹介されておりますので、是非ご覧ください

https://www.acconeer.com/focus-use-cases

また、2022年早々にラスベガスでCESが開催され、Acconeer社ではイベントにて、ロードマップ上の最新モジュールやワイヤレスイヤホンのプロトタイプなどが展示される予定です。
今回は日本向けの時間帯でもオンラインイベントが開催されますので、ご興味のある方は、是非ご参加をご検討ください。

ご質問・お問い合わせは、マイクロサミット(株) sales@microsummit.co.jp 井波(イナミ)までお願いします。