2023/06/22 (木)

Acconeer社のミリ波パルスコヒーレントレーダー(PCR)センサーをご紹介いたします。

1. 概要

Acconeer社は、スウェーデンのマルメに拠点を置くファブレス半導体メーカーで、その名の由来(Accurate Echo Pioneer)の通り、高精度レーダーセンサーのリーディングカンパニーです。

独自技術のパルスコヒーレントレーダー(PCR)センサーは、60GHzのミリ波レーダーを使用し、高精度な距離、位置、動き検出および素材判定を実現します。
レーダー発信/受信に必要な全ての回路とアンテナが小型パッケージ(5.2 x 5.5 mm x 0.88mm) に内蔵され、アンテナ設計が不要なこと、機器にアンテナ用の開口部を用いる必要がないことも利点です。
2018年に、第一世代モデルとしてA111がリリースされ、物体および人体の検知、各種レベル検出に広く応用されていますが、さらに特性・機能が強化された、第二世代モデルA121がリリースされています。

今回は、A121内蔵ミリ波センサーモジュールXM125など、A121の製品ラインナップをご紹介いたします。


2. アプリケーション

交通系
 街灯用人感検知、信号機用タッチレスボタン、
 ETCゲートでの車両検知、車室内の置去り検知、*車速検知
 スマートビルディング系 
 トイレ用人感検知、室内ランプ用人感検知、入退室検知
インフラ系
 液体レベル検知、ゴミ箱残量検知、下水道用水位検知、
 構造物の距離・位置測定
駐車場系
 駐車検知、EV充電スタンドセンサー、*機械式駐車場内の人感検知
産業系/農業系
 飼料タンク用レベルセンサー、輸送コンテナ積載状況検知
 *ファクトリーオートメーションでの物体検知
ロボット系
 見守り(癒し)系ロボットや自動芝刈り機用物体および人感センサー 
 障害物検知、材質検知

* 検討中、その他は量産済



3. A121の特長

技術
60GHz Pulsed Coherent Radar(PCR)
Acconeer社独自技術のパルスコヒーレントレーダー
機能
1chip solution:
 Baseband処理、RFフロントエンド、送受アンテナ内臓(Antenna In Package) 
パッケージ
5.5 x 5.2 x 0.88 mm FCCSP(FlipChip-Chip Size Package) 0.5mm pitch
リフロー実装可能、A121/A111ピン互換
検出距離*1
~20m
絶対精度*2
mm
相対精度
μm
特長
Possible to recognize movement and gestures for several objects
複数の物体の動きやジェスチャー認識が可能
Support conginuous and single swwep mode
連続および単発掃引モードに対応
プラスティックなどの筐体にセンサー用の開口部を設ける必要がありません
 (プラスティック、ガラスを透過します)
消費電力
3.7W
主な改善点
A121 vs. A111
・ジッター低減によるSNR向上
・バッファーメモリー容量増加(x4倍)より長い時間の波形取り込みが可能
・待機時リーク電流の低減 
レーザー視野角
HPBW(半値幅)
65°(H-plane)
53°(E-plane)
電源
1.8V 単一
待機時リーク電流
typ. 1uA
IO-interface部
1.8V - 3.3V間の電圧に対応 interface部のレベル変換が不要
Interface
SPI: ~50MHz clock
 Temperature Range 
-40℃ to +105℃, AECQ-100 Grade2

*1: 対象物のサイズ、形状、誘電率に依存します。
*2: 半径5cmの球面コーナーリフレクタに相当する大きさ、形状、誘電特性で2mの測距の場合



4. A121製品ラインナップ


5. A121評価キット: XE121 / XC120 / XS121

・XE121: A121搭載の評価ボード。 XC120、Raspberry Pi、STM Nucleo-64またはNucleo-144開発ボードと接続評価ができるよう
       設計されています。MCUを搭載していないため、スタンドアロンでの使用はできません。
・XC120: コネクターボード(上記XE121の下層部) Cortex M7 MCUが搭載されており、A121からUSB HS 2.0経由で
       Window PC上「Exploration Tool」にてデータ観測を可能にします。
・XS121: A121搭載のサテライトボード。XE121に最大4つ接続することが可能です。


6. Entry + module : XM125

・A121、32-bit ARM® Cortex 32-bit ARM® CortexTM M4 MCU (STM32L431CBY6) 80 MHz, 128 kb Flash; 64kb RAMが
 内蔵されたスタンドアロンモジュールです。
・15 x 18.6mm
・片面実装LGA:すべての部品はPCB上面に、はんだパッドはPCB下面に実装されています
・1.8V単一電源
・IOインタフェース部は、1.8/3.3Vに対応 interface部のレベル変換が不要
・動作温度:-40ºC to 85ºC


7. XE125 : XM125用評価キット

・UART-USB変換機能により、Window PC上「Exploration Tool」にてデータ観測を可能にします。
・レンズキット LH132 とアセンブリ可能です。


8. IoTmodule : XM126 : 2024年1Qリリース予定。

Acconeer社の詳細はこちら


ご質問・お問い合わせは、マイクロサミット(株)  sales@microsummit.co.jp 井波(イナミ)までお願いします。