2022/04/22 (金)

ABOV Semiconductor社の煙検知システム向けMCUを紹介します。

ABOV Semiconductor社の煙検知システム向けMCU

A) 概要
ABOV Semiconductor社(以下ABOV社 (アバブ))は,韓国・ソウル市にある,マイクロコントローラ,高度な不揮発性メモリ,およびさまざまな半導体ソリューションの設計と製造を行う企業です。
マイクロコントローラユニット(MCU)技術をベースに,センサーやコネクティビティとともに統合ソリューションを提供し,
特に「白物家電」「電源」「モバイル機器」「スマート機器」「火災警報器」「リモコン」「BLE&通信」といった製品に向けたデバイスを展開しており,家電分野では世界4位の実績があります。
更に,5G時代が牽引するAIやIoT技術の革新でディジタル世界をリードしています。
今回はその中の「火災警報器」に向けた製品を紹介します。「火災警報器」を実現するソリューションは大きく分けて二つあります。
一つはPLCを用いたネットワーク煙検知型火災警報器ソリューション。もう一つは単体での煙検知型火災警報器ソリューションです。

B)  PLCネットワーク煙検知型火災警報器ソリューション
通常,PLCネットワーク型ソリューションでは,MCU+煙検知部+電力線トランシーバで実現します。煙検知には光電型を提案しており,それを実現するにはLEDドライバ,
それを駆動する安定した電源とオペアンプが必要です。このため,外付け部品点数が多く,基板実装面積が大きくなってしまいますが
ABOV社は煙検知(光電式)に必要なLEDドライバ,電源(LDO),オペアンプを内蔵し,MCU,煙検知部と電力線トランシーバを1パッケージに納め,基板面積の削減に貢献します。

MCU:A96L533/534
A96L533/534は,高耐圧の電力線トランシーバICと8ビットMCUを組み合わせたSoC製品で, 8/16KバイトのFLASHメモリを搭載した先進のCMOS 8ビット・マイクロコントローラです。
低消費電力で費用対効果の高い煙検知器用アプリケーションを提供します。
さらに,A96L533/534は,消費電力を抑えるためにパワーダウンモードをサポートしています。ロジックは高電圧入力,3V出力(LDO)とオペアンプを備えています。
RXT/TXRピンは1ライン通信に対応し,LDO・RXT/TXT・コンパレータの外付け部品数の大幅な削減に寄与しています。


C)  スタンドアロン煙検知型火災警報器ソリューション
スタンドアロン型ソリューションは煙検知部+MCUのみの構成で,検知結果を本体から光や音で周囲に知らせるほか,LoRaなどのLPWAデバイスを外付けすることによって検知結果を外部コントローラ(制御盤)に伝送します。

MCU:A96L414AE/416AE
A96L414/416 は,8/16Kバイトのフラッシュメモリを搭載した先進の CMOS 8ビットマイクロコントローラです。
このマイクロコントローラは,煙探知アプリケーションに最適な低消費電力とコスト効率の良いソリューションを提供する強力なマイクロコントローラで,
煙検知(光電式)に必要なLEDドライバ,電源(LDO),オペアンプが内蔵されています。また,1.5uA以下の消費電流を実現するためのパワーダウン・モードもサポートしています。


D)  スタンドアロン煙検知型火災警報器ソリューション
スタンドアロン型ソリューションに,BLEで外部コントローラ(制御盤)に煙検知結果を伝送するソリューションもABOV社は用意しています。

MCU:A31R118CU  
A31R118は,IoTに不可欠な各種機能を備え,電力効率に優れたaBLE*シリーズのBluetooth® LE ワイヤレスMCUです。
本製品は,超低消費電力を実現するarm® Cortex® M0+コアを採用し,特許出願中の先進的なレシーバアーキテクチャにより,優れたRF性能,Bluetooth® LEワイヤレス通信性能を提供します。
aBLEシリーズは,Bluetooth Low Energy技術と超低消費電力MCU技術を統合し,スマートリモートコントローラやIoT市場向け製品に最適です。
*aBLE:ABOV Semiconductor Bluetooth Low Energy

E)   スタンドアロン煙検知システム例

ご質問・お問い合わせは、マイクロサミット(株) sales@microsummit.co.jp 斎藤 (サイトウ)までお願いします。